活用形の役割

2 活用形の役割

 日本語(現代語でも古文でも)の単語の中で、動詞・形容詞・形容動詞(合わせて「用言」と言います)と助動詞は、その役割によって変化します。これを「活用」と呼ぶのですが、活用形には、それぞれ役割が決まっているので、それをある程度呑み込んでいないと、古文の問題を解けません。

◎未然形

・助詞に続く
終助詞「ばや」、「なむ」、接続助詞「で」、「ば(順接仮定条件)」などに続く。
 
・助動詞に続く
打消の助動詞「ず」、推量の助動詞「む」などに続く。
  
◎連用形

・用言を修飾する(連用法)
動詞・形容詞・形容動詞を修飾(連用修飾といいます)したり、体言(名詞のことです)を修飾(連体修飾といいます)する場合でも、下にもう一つ用言がくる場合。
 
・文を一旦中止し、後に続ける(中止法)
上の「中止し、」のところがまさにそうです。現代語ですが、サ行変格活用の連用形。
 
・助詞に続く
接続助詞「て」、「して」などに続く。
 
・助動詞に続く
完了の助動詞「たり」、過去の助動詞「き」、「けり」などに続く。
 
◎終止形

・文末で言い切る(終止法)
終止形の名前の由来。

・助動詞に続く
推量の助動詞「べし」などに続く。

◎連体形

・体言を修飾する(連体法)
名詞を修飾します。
 
・体言の代わりとなる(準体法)
本来なら下に名詞がくるところで、名詞は省略されて、助詞や断定の助動詞「なり」に続く。現代語では、ほとんど無い用法。
 
・係助詞「ぞ」、「なむ」、「や」、「か」の結びとなる(係り結び)
通常、文末に活用語がくる場合、終止形になるのですが、古文では、文中に係助詞「ぞ」、「なむ」、「や」、「か」があったり、疑問語があったりすると、文末は連体形になります。

◎已然形

・助詞に続く
接続助詞「ど」、「ども」、「ば(順接確定条件)」に続く。
 
・係助詞「こそ」の結びとなる(係り結び)
文中に係助詞「こそ」があると、文末は已然形になります。

◎命令形
・文末で命令する

これらの活用形の役割は、空欄補充問題などに対応するために必要なのはもちろんですが、場合によっては解釈にも影響します。しっかり把握しておきましょう。