2008-01-01から1年間の記事一覧

丁寧語

3 丁寧語 丁寧語は、会話の聞き手や、手紙の読み手、読者に敬意を表します。 基本的には、「〜ます/〜です」と訳すといいでしょう。◎丁寧の補助動詞 他の動詞や断定の助動詞などの下につき、丁寧の意味を添える。 例 「はべり」・「さぶらふ」・「さうらふ…

謙譲語

2 謙譲語 動作の客体を高める働きをします。現代語では謙譲語が衰退しているところがあるので、多少ぎこちない訳にならざるを得ない場合もありますが、基本的には、お〜申し上げる/〜させていただく/〜て差し上げるなどと訳します。現代語に相当する謙譲…

尊敬語

第四章 敬語 すべての敬語は、重要語として記憶すべきです。入試で意味が問われることも多く、訳のポイントになることも多い上に、省略された主語を見分けるポイントにもなります。1 尊敬語 基本的には、「お〜になる/〜なさる」などと訳します。現代語に…

係助詞・上代の助詞

6 係助詞係り結びの法則 係助詞 意味 結び 訳 ぞ・なむ 強意 連体形 ・格助詞と一緒に用いる場合は、訳に入れない。・主格が省略されている場合は、「〜は」と訳すか、訳に入れない。 や・か 疑問・反語 連体形 ・疑問の場合は、「〜(だろう)か」と訳す。…

間投助詞

5 間投助詞◎「や」、「よ」、「を」 主に和歌や会話で用い、詠嘆・呼びかけ・強意などを表す。訳…文脈に応じて、〜よ/〜ね など。「を」は、主に上代に用いられ、訳に入れなくてもよいことが多い。※「や」は疑問・反語の係助詞と、「を」は目的格の格助詞…

終助詞

4 終助詞 終助詞は文末で使います。接続がポイントになることが多いので、しっかり覚えましょう。 願望の終助詞◎「ばや」接続…未然形意味 ・自分の動作の実現を願望する(〜たい)◎「なむ」接続…未然形意味 ・他人・人以外の動作の実現を願望(他にあつらえ…

副助詞

3 副助詞 現代語とあまり変わらないものが多いのですが、現代語にない「だに」、「すら」、現代語と意味が違うことが多い「さへ」は、解釈のポイントになることが多いので、注意が必要です。◎「だに」 意味 ・最小限(せめて〜だけでも) 例 散りぬとも 香…

接続助詞

2 接続助詞 接続助詞の場合は、接続(どの品詞・語・活用形につくか)が大事なので、訳の仕方とともに覚えましょう。◎「ば」の用法 入試問題でもポイントになることが多い、超重要事項です。・未然形+ば…順接仮定条件 訳 (もし)〜としたら/〜ならば 例 …

格助詞

第三章 助詞1 格助詞 格助詞は、現代語とあまり変わらないので、現代語にないものや、現代語と違う用法だけを覚えてやれば、他は現代語と同じです。◎「が」、「の」の用法 ・主格(〜が) 主語であることを示します。現代語の「が」の用法。・連体修飾格(…

上代の助動詞

8 上代の助動詞 古語の助動詞の中には、上代(奈良時代以前)には用いられていたのに、平安時代以降は用いられなくなったものもあります。通常、古典文法は平安時代中期(『源氏物語』や『枕草子』の時代)を基準とするので、あまり習う機会がないでしょうが…

比況の助動詞

7 比況の助動詞◎「ごとし」・接続…体言・連体形・格助詞「が」、「の」など・活用…形容詞(ク活用)型 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形 ごとく ごとく ごとし ごとき ○ ○ ※「ごとし」は形容詞型の活用ですが、助動詞に続く用法は、連用形に断定…

断定の助動詞

6 断定の助動詞 ◎「なり」 ・接続…体言・連体形(準体法)・活用…形容動詞(ナリ活用)型 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形 なら なり なり なる なれ なれ ○ に ○ ○ ○ ○ ※連用形の使い分けは、形容動詞と同様です。意味 ・断定(〜である/〜だ…

希望の助動詞

5 希望(願望)の助動詞◎「まほし」・接続…未然形・活用…形容詞(シク活用)型 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形 まほしく まほしく まほし まほしき まほしけれ ○ まほしから まほしかり ○ まほしかる ○ ○ ※形容詞同様、ラ変型(まほしから/ま…

推量の助動詞

4 推量の助動詞 ◎「む」、「むず」・接続…未然形・活用 「む」…四段型/「むず」…サ変型 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形 (ま) ○ む(ん) む(ん) め ○ ○ ○ むず(んず) むずる(んずる) むずれ(んずれ) ○ 意味 ※文末で使われる場合 ・…

過去・完了の助動詞

3 過去・完了の助動詞 過去の助動詞には「き」、「けり」、完了の助動詞には「つ」、「ぬ」、「たり」、「り」があります。・接続…連用形(但し、「り」だけは、サ変の未然形か四段の已然形) ◎「き」 ・活用…特殊型 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命…

打消の助動詞

2 打消の助動詞 打消の助動詞は「ず」だけで、接続が未然形なのも、動詞の活用でお馴染みですが、活用が特殊なので、気をつけましょう。「ず」 ・接続…未然形 ・活用…特殊型なので、記憶の必要がありますが、三つの活用型からなることを覚えた方がよいでし…

尊敬の助動詞

第二章 助動詞1 尊敬の助動詞 通常、「る」、「らる」は自発の助動詞であり、「す」、「さす」、「しむ」は使役の助動詞とするのですが、これらはすべて「尊敬」の意味で使われることがあり、しかも、接続(何形につくか)も活用の型も同じなので、覚えやす…

形容詞・形容動詞・音便

4 形容詞◎ク活用 語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形 おもしろ く く し き けれ ○ から かり ○ かる ○ かれ ※カリ活用(から・かり・○・かる・○・かれ)は、命令形を除き、助動詞に続く時しか使わない。未然形・助詞「は」に続く(仮定を表す…

物語文学

★…本文としての出題はあっても、文学史ではあまり問われない作品。★★…本文としてはほぼ出題されないが、文学史ではよく問われる作品。★★★…絶対必修の作品。2 物語文学◎伝奇物語(つくり物語) 源氏物語以前の、伝奇的要素の強い物語。かつては多くの物語が…

和歌・漢詩

★…本文としての出題はあっても、文学史ではあまり問われない作品。 ★★…本文としてはほぼ出題されないが、文学史ではよく問われる作品。 ★★★…絶対必修の作品。1 和歌・漢詩◎上代(奈良時代以前)編 和歌(=やまとうた)は、『古事記』・『日本書紀』に登場…

動詞の活用

3 動詞の活用動詞は、用言(単独で述語になることができる単語。動詞と形容詞と形容動詞)の中で、一部の例外を除き、終止形がウ段で終わるものです。名前の通り、おもに動作を表します。現代語とは違った活用の仕方をする上に、現代語とは仮名遣いが違った…

活用形の役割

2 活用形の役割 日本語(現代語でも古文でも)の単語の中で、動詞・形容詞・形容動詞(合わせて「用言」と言います)と助動詞は、その役割によって変化します。これを「活用」と呼ぶのですが、活用形には、それぞれ役割が決まっているので、それをある程度…

歴史的仮名遣い

歴史的仮名遣いは、古典を読むための基本中の基本です。慣れないうちは違和感があるでしょうが、慣れてくれば、むしろ現代仮名遣いの方がおかしく感じられます。 1 一文字だけでも読みが異なるもの ハ行 歴史的仮名遣いでの表記 は ひ ふ へ ほ 読み(現代…