打消の助動詞

2 打消の助動詞
 打消の助動詞は「ず」だけで、接続が未然形なのも、動詞の活用でお馴染みですが、活用が特殊なので、気をつけましょう。

「ず」
・接続…未然形
・活用…特殊型なので、記憶の必要がありますが、三つの活用型からなることを覚えた方がよいでしょう。

未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形 活用の型
無変化型
(な) (に) ナ行四段型
ざら ざり ざる ざれ ざれ ラ変型

※ラ変型の部分は、助動詞に続く場合か、漢文訓読の場合に使います。

未然形
・助詞「は」に続く(仮定を表す)    行か(ず)は、
※但し、漢文訓読では、        行か(ずん)ば、
・ク語法(名詞のようになる)      乱れ初めにし我なら(な)くに
・助動詞に続く             行か(ざら)む

連用形
・連用修飾               行か(ず)なる
・中止法                行か(ず)、
・助詞に続く              行か(ず)して
上代語                たどきを知ら(に)音のみしそ泣く( 『万葉集』 )
・助動詞に続く             行か(ざり)けり

終止形
・終止法                行か(ず)。

連体形
・連体修飾               行か(ぬ)時
※但し、漢文訓読では、        行か(ざる)時
・準体法                行か(ぬ)は無し
※但し、漢文訓読では、        行か(ざる)は無し
・係り結び               いかでか行か(ぬ)。
※但し、漢文訓読では、        何ぞ行か(ざる)。
・助動詞に続く             行か(ざる)べし

已然形
・助詞に続く              行か(ね)ども
※但し、漢文訓読では、        行か(ざれ)ども
・係り結び               そこへこそ行か(ね)。
 ※和漢混交文では、「そこへこそ行かざれ。」となることも考えられる。

命令形
・命令する               そこへは行か(ざれ)。


問三 次の中から打消の助動詞「ず」を抜き出し、活用形を答えなさい。

① この川、飛鳥川にあらねば、    (     )・(     )形

② 淵瀬さらに変はらざりけり。    (     )・(     )形

③ 京には見えぬ鳥なれば、      (     )・(     )形